授乳

pococo

2007年02月10日 00:00

慣れない育児で一番つらかったのは授乳の時間。
出産前に、絶対に完全母乳で!と意気込んでいたのに、こんなに苦戦するとは思わなかった。
娘が泣くたび、いや、寝ている最中に手や足を少し動かすたびに、ドキドキしていた。

授乳に慣れていない私の乳首は、切れて血がにじみ、水泡や血豆、白斑ができて、赤くはれていた。
娘に吸われると、足のつま先から頭のてっぺんまで、全身に激痛が走る。
あまりに痛くて、娘の頭を支えている手に思わず力が入る。
夜中には、「痛い、痛い。」と、涙を流しながら授乳していた。

直接吸われるよりは良いかもしれないと、搾乳することにした。
2~3時間おきに母乳を欲しがるので、一日中ほとんど搾乳をしていた。

退院してから数日後、熱を出してしまった。
めったに熱が上がらず、基礎体温も低い私が、38℃の熱。
産褥熱か、胸にしこりはあったからもしかしたら乳腺炎か、それともただの風邪か。
どっちにしてもこのまま下がらなかったら病院に行かなければならないし、授乳も続けていいのかわからない。
できれば与えたくなかったけれど、万が一の時のため、と、夫に粉ミルクを買ってきてもらった。

夫も完全母乳を望んでいたので、初めて粉ミルクを与える時はものすごい罪悪感を感じていた。
熱は翌日下がったものの、あまりの乳首の痛さに、我慢できない時は粉ミルクを与えることにした。
最初は数日に一回、そのうち毎日与えるようになった。
量は、はじめは一日80cc位。
それでも、ものすごくうしろめたさを感じた。

出産した病院では母乳育児を薦めていて、どんなに乳首が痛くても乳頭保護気をつけて毎回5分は乳首を吸わせるように指導された。
退院後の電話相談でも、「与えないと出なくなっちゃうから、頑張っておっぱいを吸わせてくださいね。」と言われた。
だから一ヶ月検診の時、ミルクも与えている、と言うと、何か言われないかと不安だった。

でも実際、一ヶ月検診では、「母乳とミルクの両方を与えています。」といったら、「はい、両方ですね。」とあっさり言われそれ以上は何も言われなかった。
そして、娘の体重増加は一日36gとすこぶる順調。
このことで、”母乳を与えなきゃダメ”っていう、ものすごく重いプレッシャーから解放された。
「私のやり方は間違ってなかったんだ。粉ミルク与えても良かったんだ。」と、気分がすごく軽くなった。

一ヶ月検診を過ぎたあたりから、母乳を直接与えることがとても楽になった。
完全母乳からのプレッシャーがなくなり、私の乳首も鍛えられてたくましくなったんだと思う。
まだミルクは足しているけれど、どんどん少量になってきている。
時間はかかるかもしれないけれど、もしかしたら完全母乳になるかもしれない。
でも、そうならなくてもいいや。
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